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桜餅に恋をして        『ホゥ...』


by maru_kyo
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発し方と受け止め方

京都の人は、時々『まあ、ガンバってみよし~』と言う。

例によって色々言語的背景の深い京言葉なので、
コレを堂々と訳すのもむずかしいのだが、
その場の雰囲気によっては

『ガンバってね!(惜しみなく援助するよ!)』
と解釈できることもあれば、

『やるだけやってみれば?(どうせムリでしょ)』
と解釈できることもある。

もちろん、どちらの場合でも、発する側のそのときの表情はニコヤカである。

さぁ、困った。
これを激励と受け止めるか、挑発と受け止めるか、
それによっては、こちらも出方を改めなければならない。
そうこう悩むこと数年。

やっと最近わかってきたこと。
それは、『この言葉には、常に激励と挑発の両面の意味を持っていて、
相手が成功したときは前者として、そして失敗したときは後者として
そのとき初めて意味が確定する』ということだった。

それは、あたかも物理原子の構造において、
電子は確率論でしか空間位置を持たず、
こちらが『観測』することによって、初めて位置を確定するかのような。

しかも、発する側は、そこまで熟慮してこの言葉を使うのではなく、
やはり持って生まれた空気感で、無意識にその間合いを体得している。

そして、この場合もっとも適切な回答は
『おおきに』であることにも気づいた。
これはこれで、『応援ありがとう』から
『けっ!今に見てろ!』までの意味を同時に持っているのだ。
そして、これも必ずニコヤカに発せられなければならない。

考えて考えて、結局すごく当たり前なことに戻ってきたが、
この『確率論の上でしか、京言葉は理解できない』ということを、
マルは『京言葉 原子構造論』と名づけて、現在、応用分野において検証中。
by maru_kyo | 2004-05-14 00:44 | 京都もの